『DmC Devil May Cry』は地に落ちたファンの期待を取り戻せるのか

デビル名倉イ……タイリッシュアクション……“顔面は開発中のものです”……などなど、ユニークな表現の限りを尽くしてその存在自体に大きなブーイングが上がっている今作。最近新トレーラーやプレイ動画などが公開されるようになってきて「そういえば2012年発売だったな」と思いだされた方も多いことでしょう。

あの悪夢のトレーラーから1年と半年ほどが経ちました。そろそろ傷も癒え……ではなく傷を負ったこと自体を我々ファンは忘却の彼方に追いやっただけなんですが、さすがに話題に出してあげてもいい時期なのかと思います。さて、実際この『DmC』はどうなのか。キャラデザを抜いたらどのような評価を受けるのか。

この際我々ファンの求めるものになっているかどうかは置いといて、動画を見ただけの感想を言うならば、案外想像していたよりも『DMC』っぽい形にはなっていると思いました。スティンガーやプロップなどを操っている黒髪の彼はダンテに見えなくもない。タイ人にも。あとディレイアクションが顕在であることには安心しました。如何にスタイリッシュに敵を倒すかを突き詰める『DMC』において、攻撃方法の多様さはなくてはならない要素。コンボの自由度を一応開発側が意識しているのが分かっただけでも収穫です。

ですが! なのですが! なんだこの奥歯に物が詰まったかのような違和感は……。

黒髪ダンテ、なんだか間抜けな攻撃SE、30fpsだからなのか感じる微妙なモッサリ感、操作系統の大幅な変更。……ああ、やっぱり外注ってこういうことなのかな。カプコンのスタッフが監修しようとも、やっぱりこういった理由からくるテイストの違いってのはどうしようもないことなのかな。

公式から従来のシリーズとは物語的にも全く繋がりのない新作ですと言われようとも、現段階でカプコンが『DMC』の名を冠した作品を今作しか作っていないのであれば、ファンはそこに期待するしかないんですよ。どんな言い分を保険にしようとも、ファンはやはり『DMC』の一環として見ずにはいられないんです。この埋めようのない温度差を覆す面白さがあるのならば、この不安は霧散するだけでみんなハッピーなんですけどね……。難しいですよね、素直に期待して待ってろってのも。

まあ、なんだ、文句を言い続けるだけなのもつまらないし、始まるものも始まらない。すべては自分で触らないことには分からない、と現時点では言い聞かせる他に道はありません。我々日本人には「TGS2012」がそのXデーとなることでしょう。不安8割、かすかな希望2割を心に秘め、幕張メッセに突撃しようではありませんか! 死地にならないことを祈って……