「JRPGが変えなければならない7つのこと」に対しての言い訳を無理やり考えてみる

日々是遊戯:海外ユーザーが指摘する「JRPGが変えなければならない7つのこと」 - ITmedia +D Games

日本では相変わらずの人気ジャンルである一方、海外ではそこまで人気というほどでもないRPG。最近では「JRPG」という言葉も定着しつつあり、「Fallout3」や「Fable II」のような海外製RPGと、日本製RPGとを明確に分けて考える動きもあったりする。

 そんな中、イギリスのゲーム雑誌「THE OFFICIAL XBOX MAGAZINE」のサイトにおいて、「JRPGが変えなければならない7つのこと」(原題「7 J-RPG Hates(And What Needs To Change)」)なる記事が掲載されて話題を呼んでいる。

ということで、7つ挙げられています。

1:子供のキャラクターをパーティに加えるのをやめさせるべき
2:悪人はもっとクールに
3:装備を変えたら外見も変わるべき
4:もっとまともな声優を
5:ムービーシーンであっさり死ぬキャラクター
6:もっとダンジョンにパズル要素を
7:ヒーローにも悪の側面を

さて、何やら概ね同意できる指摘がなくもないんですが、ここは日本人が持つRPGに対する誇りを捨てるわけにもいかないので(んなわけないが)、あえて全面的に言い訳を試みようかと思います。主観入りまくりですがあしからず。

子供のキャラクターをパーティに加えるのをやめさせるべき

確かに幼い少年・少女が生きるか死ぬかの戦いに参加するというのはおかしな話ではありますが、仮にゲーム内容がファンタジーやSFなどの非日常を舞台にしたものなら身の丈2倍以上ある大剣を振るう少年や二丁銃を操る少女がいてもおかしくないという認識。これが日本では普通にあると思います。文化の違いといえばそれまでですが、少年漫画などを見ても少年・少女が活躍する物語は多いわけで。
あとは・・・そうですね、オタ文化の発達が「1RPG1幼女(ショタ)」の風潮を作り出した気配はありますよね。要はキャラクターがゲームの魅力に大いに貢献している“キャラゲー”とかですけど、これが日本では普通に受け入れられています。オッサンだけだと花がないわけですよ。オッサンキャラが一人いるならばそれとは別に子供キャラも用意する。パーティの平均年齢を20歳ぐらいに落ち着かせようとするのが実情です。意図してかは知りませんけど。

悪人はもっとクールに

これは同意してもいいんですけど・・・w まあ何ですかね、あまりにクールすぎると感情移入する隙がなくなってしまうとかでしょうか。日本のRPGは基本的に“プレイヤー≠主人公”という構図で作られており、如何に登場キャラクターに感情移入できるかという点が重視されています。ここでも重要なのはキャラクター性なわけです。そしてそれは悪役にも言えることで、彼らにも感情移入できる作品が日本ではウケる傾向にあると・・・思います。これはちょっと自信ないんですけどね。
まあそういうわけで、カリスマ性が強すぎないよう抑えていると。単純に魅力的な悪役を作れていない気がしなくもないですが、どこか人間的な部分を残す悪役が受け入れられているのは事実でしょう。

装備を変えたら外見も変わるべき

日本でも装備品によってグラフィックが変わる作品は最近増えてきましたけど、大体は“武器”のみです。“防具”まで反映する作品はあまりありません。RPGで言えば『ローグギャラクシー』などは全ての装備品にオリジナルのグラフィックが用意されていたと記憶していますが、そんな作品は極少数です。これはなぜか。
おそらくキャラクターに対する印象を変化させかねないからではないでしょうか。これも“キャラゲー文化”の宿命といいますか、最初の設定段階で着ている衣服がそのキャラクターの持つ魅力に含まれているんです。それをファッション性を軽視した防御力重視の鎧などで壊されてしまうと、プレイヤーとしても興ざめですよね。結局変わらないのがスマートであり、逆に個性を強調するわけです。凄く多分。

もっとまともな声優を

これは何も言えないです。吹き替え声優がそこまで酷いという実情を初めて知ったぐらいですし。逆に日本では、話題性重視で演技もしたことのないアイドルなどを起用することがありますが、あれは止めて欲しいですよねぇ・・・。まあ最近は悪くないキャスティングが増えているとは思いますけど。

ムービーシーンであっさり死ぬキャラクター

うーん、これもそこそこ同意できるかもしれませんぁ。まあ考えられることとすれば“物語を盛り上げるための一演出”ですか。『FF7』のエアリスの死が多くのプレイヤーに衝撃を与えたように、今まで旅を共にした仲間が死ぬというのはゲームにおいて否が応なしに盛り上がる演出です。操作可能キャラが死ぬとなれば尚更、人によってはパーティ編成をまた考えなくてはいけないわけですからね。大事ですよ。
まあ戦闘であれだけ人間離れした強靭な肉体を見せ付けていたキャラが、いきなり凶弾に倒れたりするのは確かに納得のいかない話ではありますけどね。そこにつっ込むのは野暮ってことで、ゲームとして割り切るとこは割り切らないと。

もっとダンジョンにパズル要素を

逆に全てのRPGのダンジョンが『ゼルダの伝説』級の謎解き要素を用意していたら僕は間違いなく投げます。まあこれは言葉のあやだと信じていますが・・・海外の人はどこまで本気なのか分からないぜ。
確かに雑魚とのバトルだけでは面白みもありませんが、日本のRPGプレイヤーの中には“物語を純粋に楽しみたい”という人がそこそこいるのも事実です。ですからあまりに難解な謎解き要素があると詰んでしまう恐れがあるんですよね。それを防ぐためにもっと万人に受け入れられるような無難な作りに落ち着かせていると。あとは、これは日本人ゲーマー独特のものですが、海外ゲーマーとは違って“作業感があってもそれをそこまで苦と感じない”傾向があります。雑魚との戦闘が続いても、パーティのレベルが上がっていけば多少の作業感が感じられても許容できてしまうんですよね。
まあ個人的にも、雑魚との戦闘の間に適度なスパイスとして軽い謎解きが入るというスタイルがやりやすいかなと感じています。これを言うと海外の人には「なんで!?」と叱咤されそうですが・・・文化の違いですなぁ。

ヒーローにも悪の側面を

これは先ほどの「悪人はもっとクールに」と同じことが言えます。やはり感情移入できるキャラクターというのが重視されているんです。突飛過ぎるキャラ設定は逆にイロモノ扱いされてしまいそうで製作側は避ける傾向にあります。これも一つの流れですからどうしようもないことなんですけどね。
例外として『ドラッグオンドラグーン』を挙げておきます。全体的にダークな雰囲気を内包した今作はJRPGの中でも異彩を放っています。こういう作品があってももちろんいいんですが、逆にこんな作品ばかりになってしまうと・・・困りますよね。もっと普通のRPGがやりたいという需要があるわけですから。

というわけで

何だかちゃんと答えられていないものもありますけど頑張ってみました。
日本では「お約束」として捉えられているものも海外では不満の一つとして挙げられているというのは興味深いところです。中には同意できるものもあって苦笑しましたけど、逆に日本の開発者には参考にして欲しいところです。
あれだ、『FPSが変えなければならない7つのこと』なんか作ったらそれはそれで面白いんじゃないか。俺FPS/TPS厨だから思いつかないけど!