情報が出る度に『那由多の軌跡』から溢れ出る得も言われぬ『ツヴァイ』臭

情報公開もかなり活発になってきた『那由多の軌跡』。発売まで残すところ2ヶ月強といったところでファンとしてはワクワクが止まらなくなってきた昨今ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、今回いよいよ正式デモムービーも公開されてプレイ画面もかなり見えるようになってきました。視聴後の率直な感想としては、やはりこれはどう見ても『ツヴァイ2』の続編にしか見えないということ。ナユタの剣技とノイの魔法を使い分けるというシステムはもちろん、グラフィックの全体的な色彩なども温かみを感じさせる『ツヴァイ』シリーズに通ずるものがあったりして、意識してるのかしてないのかは分かりませんがとにかく『ツヴァイ3』を名乗ってもおかしくない作風です。だからなのか、やはりこのゲームが『軌跡』の名を冠していることにどうしても違和感を抱いてしまうというか、逆に『ツヴァイ』自体がなかったことにされていそうで一抹の寂しさを覚えるというか……色々と複雑なところではあります。

まあ、近藤社長としても色々と思うところはあるんでしょうね。かなりうる覚えではあるんですがゲーム雑誌のインタビューかなんかで、近藤社長がディレクターとして手掛けた『ツヴァイ2』がファルコムPCゲー史上最低売上本数を記録してしまったと書いてありました。それに加えてPSP版『空の軌跡』がジワ売れしていたという背景もあり、ファルコムはその舵取りをコンシューマに向けざるを得なかったわけです。しかしそれが今の躍進に繋がっているっていうのはなかなか面白い現象ではありますが、それにしてもあれだけ丁寧に作られていた『ツヴァイ2』が大爆死というのもショッキングな話。PCゲームだったから売れなかったのか? 『ツヴァイ』というゲーム自体がどこか地味だったのか? 売れなかった原因は定かではありませんが、近藤社長としても悔恨の念が残る作品だったことでしょう。

これは僕の邪推でしかありませんが、そういった悔しさをバネに作られた作品がこの『那由多の軌跡』だと思うんです。PSPの限界に挑んだグラフィック、剣技と魔法のヴァリエーション増加によるアクション部分の進化、有名声優を起用することでPSPユーザーのボリュームゾーンでもある中高生にもガッチリ対応するなど、『イース7』から『碧の軌跡』までに培ったPSPにおけるゲーム作りのノウハウをフルに生かし、極めつけはアクションRPGである今作に『軌跡』の名を付けてブランド的にも申し分ない状態に仕上げてきたことには、コンシューマ移行の最大の原因が『ツヴァイ2』だったと知ってる身としてはかなりの気合が感じられるわけです。

だからこそ、ここまで力が入れられている『那由多の軌跡』には是が非でも売れて欲しいところですし、『ツヴァイ2』というゲームが決して悪いものではなかったと証明して欲しいですね。そしてファルコムにはここで自信を付けてもらって、気が早いですがこれからも『ツヴァイ』風味のアクションRPGを作り続けて欲しいなと願っています。アクションとしては『イース』ももちろん好きなタイトルですが、個人的にこの『ツヴァイ』独特の温かさはなくなって欲しくないし、かといって『イース』にもってこられてもミスマッチこの上ない気がするのでやはり『ツヴァイ』的ポジションのゲームは需要があると思う次第です。『那由多の軌跡』で実績を作ることができれば、ハードを移しても売れるタイトルが作れると信じています。

何はともあれ『那由多の軌跡』、これからも応援してるよ!

那由多の軌跡(通常版) - PSP

那由多の軌跡(通常版) - PSP