『ロリポップチェーンソー』って無双ライクなゲームなのかな……

須田剛一氏が手掛けるアクションゲームとして、群雄割拠な6月のゲーム発売タイトル群の中でもそこそこな期待を抱いていた『ロリポップチェーンソー』。「チアリーダー×チェーンソー」というキャッチーでパンクな世界観で注目を浴びている今作ですが、例に漏れず僕もその奇抜なコンセプトに惹かれた一人でした。

自分の中では『デビルメイクライ』みたいな、つまりチェーンソーでスタイリッシュにコンボを繋げていくことに重きを置いたゲームだと誠に勝手ながら解釈していたのですが、敵のワラワラ感にしてもパッと見のゲームデザインにしてもそれはむしろ『無双』シリーズに近い印象。一対一の攻防よりも、一対多の爽快感を突き詰めたゲーム。嫌いじゃないんですが、タイトル通りに武器が『チェーンソー』で縛られるようなことになると大味な出来になっていそうで危惧しています。

まあ、こんな動画一つで大味そうだ何だと苦言を呈している僕は相当に愚かだと思うんですけども。無双のワラワラ感に“チアリーダーがチェーンソー振り回す”というポップな色物要素を取って付けたような印象が拭えなくて、結構怖い。あの須田ゲーであるはずなのにどことなく危険な香りが漂っているのはどういうことなのか。地雷臭なのか、神ゲーの予感なのか。いい意味で期待を裏切ってくれるソフトになっていることを切に願います。

まあどちらにしても購入予定であることは変わらず。問題はPS3版と360版どちらを選択するかですが、これは言いかえればお気に入りの声優はどっちですかと聞かれているようなもの。人によっては信仰心が試され、また別の人によっては選べるわけがない命題だと涙し、中には己の性癖をも間接的に暴露する瞬間かもしれないと危機感を募らせる精鋭が現れてくるような、そんな今までにない緊張感を孕んだ面白いマルチ展開。こういう試みは、賛否両論ありそうですけどアリだと思います。主人公の声ってのは必然的に一番聞く声であり、そのキャラクターとのシンクロ度は割合プレイヤーへのモチベーションにも作用し、もっと言えばゲーム全体の雰囲気を決定づける演出的に馬鹿にできない要素の一つです。マルチであることを逆手に取ったユーザーへの訴求方法は、プロモーション的にも悪くないし、ゲーム的にも選択権がユーザーに委ねられていることにどこか懐の大きさを感じさせる魔力があります。しかもストーリークリア後には声変えられるみたいですし!このご時世にDLCで目ざとく搾取してやろうというあざとさがないのもグッド。無駄に商魂たくましいどこぞやの企業とはえらい違いです。

いいゲームであれば、メーカーもユーザーもみんな幸せ。幸せになれればいいなぁ。

LOLLIPOP CHAINSAW PREMIUM EDITION 【CEROレーティング「Z」】 - PS3

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