DREAM C CLUB ZERO (ドリームクラブ ZERO)

DREAM C CLUB(ドリームクラブ) ZERO

ビック○メラで1480円で投げ売りされとりました。さすが360、ユーザーに優しいぜ……

全男子の夢を実現した至高の貢ぎゲー

このゲームの内容を端的に言うと、“キャバ嬢に貢ぎまくって彼女にする”ゲームです。割と本気でこれ以上以下でもなく、とにかくバイトしてはお店に行き、お気に入りのあの子を指名して楽しい夜を過ごし、帰ったらメールなどで交流して仲を深めていき、またせっせと働いて……を延々繰り返します。たまにお母さんから仕送りなどをもらったり、ギャンブルで勝って大金を手に入れたりしますが、何があろうともその全てを女の子に貢ぎます。この世界においてはそれが正義なのです。“男らしさ”とは、如何に女の子に対して紳士的に散財していくかで決まるのです。

今「ホントしょーもないゲームだな……」とか思いませんでしたか?その感情は、あながち間違っていないでしょう。現実的に考えたら、いい歳してフリーターでキャバクラ三昧とか救いようのないアホとしか言いようがありません。「子どもの頃は純粋で可愛くてイイ子だったのに……」、お母さんもこんなこと考えながら遊びに狂った息子の姿を嘆くことでしょうね……。仕送りをしたと思ったら、息子的には「やった!これで女の子(それもキャバ嬢)にいいプレゼントがあげれるぞ!!」に変換されてるわけですから。

でも、これはゲームのお話。ヴァーチャルです。そんな息苦しい現実世界とは無縁なわけです。

考えてもみて下さい、キャバクラの楽しさってどこから来てますか?お酒ですか?食べ物ですか?雰囲気ですか?普通の飲み屋と何が違うんですか?

分かりきってますよね、お喋りしてくれる女の子がいるかどうかです。でも、そこには経済的な問題であったり、あるいは彼女や妻子がいる人にはそういう遊びができない状況だったり、そもそもそういったお店に後ろめたさを感じていたり、諸々の理由で現実は何かと狭量なんです。深みにはまるほど抜け出せなくなる、禁断の蜜の味。女性陣は「ホントしょーもない」とお思いでしょう。でも、男なんてそんな生き物なんです。しょーもないんです。

そんなしょーもない男の夢を叶えてくれるのが、今作『ドリームクラブ ZERO』なわけです。このゲーム、色物と見られがちですが割と本格的なゲームでなかなかあなどれないんですよ?

お酒片手にかわいいあの子とお喋りできるのは、『ドリームクラブ』だけ!

今作には「IIS」というシステムが搭載されています。IIS――それは「インタラクティブ・飲酒・システム」の略称……大真面目に言ってますけど笑えますよねw でもこのシステム、よくできているんです。

今作では、女の子とのお喋りは最も大切なアプローチの一つです。単純に好感度を上げるためでもありますが、それだけではなく、趣味や特技に始まる女の子のプロフィールを聞いたり、店外でのデートの約束を取り付けたりといったことにも使われます。だから、基本的に女の子とたくさんお喋りした方が何かと有利なんです。嗜好が分かればプレゼントはどんなものが喜ばれるか掴めるし、どういった男性像を目指せばいいのかも明確になる。

でも、そういった情報は一筋縄では教えてくれません。特に男子が興味深々な「スリーサイズ」などの禁断情報に関してはまず口を割らない。では、何が必要なのか。――それは「好感度」と、そして何より「酔い」が必要となります。個人差はありますが、女の子はお酒を飲むと段々酔っぱらってきます。好きなお酒ならばなお進みも早くなり、ポワワーンとしてくるのが分かります。そうなると話の内容はドンドン突っ込んだものになったり、もっと言ってしまえばドンドン下種な話題にも広げていけますw

これが……すっっっっごく!楽しいんです!!w

僕はこのゲーム、自分もお酒を飲んでプレイした方が数倍楽しくなると思っています。ヴァーチャルといえども酔っぱらってる女の子と喋るってのはやっぱ楽しいもんで、自分がシラフだとどうしても白けた目で見えがちです。そんな殻は破って女の子と足並み揃えて飲んでみると、途端に愛着も湧いてくるから男は単純で、得しやすい生き物だと感じさせられます。ギャルゲーは基本的にそうですけど、今作に関しては特に“開き直った者勝ち”なんですよ。あ、未成年の子はダメですからね!純粋な気持ちで楽しみましょうね!

いやらしい?紳士的と言って欲しいですな。

今作には様々な“紳士的”なミニゲームが登場します。間違っても“いやらしい”などと思ってはいけません。これは、二人の距離をあくまで“紳士的”に縮める恋愛ツールなんです。他意は全くないんです!

例えば、オムライスにかけるケチャップ遊び。例えば、ポッキーゲーム。例えば、バナナを食べ“させて”あげるゲーム(?)。他意はありませんよ?……だからないって!!

これらは、ほんっっっっっとうに!バカみたいだけど、ここまで開き直っているからこそ何だか楽しく感じる魔力があります。唇の形をしたカーソルを動かしてポッキー食べ合うゲームが今まであったでしょうか?皮剥いたバナナを食べさせて何だかムズムズするようなゲームが今まであったというのでしょうか?――ないですよね、あってたまるか!って話ですよねw

こんな(いい意味で)くだらない遊びに、HD画質のグラフィックをもって全力で取り組んでいるゲームというのは、とても貴重だと思います。尖って尖って尖らせまくった結果、キャバクラシミュレーションギャルゲーという枠から、「女の子と色んな遊びでキャッキャウフフしよう!そして、あわよくば彼女にしちゃおう!」という前例のない(いい意味で)変態的なギャルゲーへと昇華させているのは、開発陣の職人気質なこだわりがあったからに他ならないでしょう。「人間振り切るとこんなことまでできちゃうんだなぁ……」と感慨深くさせるような哲学的な一面も覗かせる今作に、何だか「どうしようもなくくだらないゲームだな……」と結論付けてしまうのはあまりにもったいない。開発陣は本気なんです。そして本気に見合った完成度がそこにはあるんです。だったらプレイヤーである我々も、まずは黙々とプレイしてみるのが礼儀というものでしょう。評価を下すのはそこからでも遅くありません。

総評

ここまで全力で開き直り、男の欲望に真摯に応えてくれるゲームが今まであっただろうか?……いや、断じてない。

同じ360出身という点や、女の子のモデリングに近いものを感じさせる点などから微妙に『アイドルマスター』を彷彿とさせますが、その方向性は全く違います。『アイマス』はあくまでアイドルをプロデュースするというシミュレーション要素に重きを置いた上で、ちょっとエッチなイベントややんわりと恋愛要素があるに留めていますが、今作はもっとストレートに「お金使って女の子と仲良くなって付きあってやる!」という俗物的な作品と言えるでしょう。そして、俗物は俗物でも、そこに本気で向き合うと心は“紳士的”という穏やかな気持ちに変化すると証明した革新的な作品です。

お酒が好きな人には、是非お気に入りのお酒を用意して、お気に入りのあの子とキャッキャウフフして欲しい。お酒が好きではない、あるいはお酒がまだ飲める歳ではないという人には、疑似キャバクラシミュレータとして楽しんで欲しい。そしてどちらにしても一番は、好感度が上がってくるとドンドン愛おしくなってくるあの子にときめいて欲しい。そんなゲーム。おススメです。

DREAM C CLUB ZERO Xbox 360 プラチナコレクション

DREAM C CLUB ZERO Xbox 360 プラチナコレクション